『二条城の清正』には、大きな御座船(ござぶね)が登場します。その船首には大きな黒い房がついており、大道具では「魔脅し(まおどし)」と呼んでいます。『俊寛』に登場する赦免船にもついています。
昔、海が荒れた時に海の神を鎮めるために人柱の代わりに髪の毛を切って海に投げ入れたと言われています。「魔脅し」もその名残なのでしょう。航海の安全を祈る昔の人の心が芝居の世界にも投影されています。
ちなみに、『二条城の清正』の魔脅しは、船が動く際にちょっと揺れるようになっています。房もお芝居をしているのです。
関連記事一覧: