「歌舞伎座新開場 杮葺落興行」の3カ月分の演目と配役が発表になりました(2012/12/19)。いよいよ新開場が近づいてきたという感じがしますね。今回は、「杮葺落四月大歌舞伎」について大道具の視点で見てみたいと思います。
「杮葺落四月大歌舞伎」
【第一部】
一、壽祝歌舞伎華彩 鶴寿千歳
二、十八世中村勘三郎に捧ぐ お祭り
三、一谷嫩軍記 熊谷陣屋
【第二部】
一、弁天娘女男白浪 浜松屋見世先の場より滑川土手の場まで
二、忍夜恋曲者 将門
【第三部】
一、近江源氏先陣館 盛綱陣屋
二、勧進帳
陣屋ものが2つあり、屋体崩しがある「将門」もあります! それぞれの演目の場面の大道具のボリュームをちょっと想像してみてください。しかけがある、場面数が多い、大きな屋体(やたい:家などの建物)がある、大きな船がある、などの演目は大道具さんたちは結構大変です。そういう視点でもう一度四月の演目をみると、かなり大掛かりになりそうです。
でも、第五期の新しい歌舞伎座は、この前(第四期)の歌舞伎座よりも舞台機構がよくなっていますので(以下の朝日新聞の記事をごらんください)、こんな狂言立てが可能とのことです。大きなポイントは、セリが1つ追加され、それに伴い廻り舞台が深くなったこと。その他の寸法は変えていません。俳優さんは舞台の寸法が身体に入っていますから、それは変えないとのこと。セリの名前は、「松」「竹」「梅」そして、新しく追加されるのが「大迫り(おおぜり)」です。
「廻り舞台、深さビル5階分 歌舞伎座新装へ準備中」
(朝日新聞デジタル 過去の記事 廻り舞台の動画あり)
http://www.asahi.com/culture/update/0323/TKY201203230675.html
廻り舞台は、地下部分を近くで見ると結構大きくてこわいです。第四期の廻り舞台も初めて見たときは、地下の薄暗いなかということもあり緊張しました。国立劇場の廻り舞台も巨大で、グオーンと動いているときなどは本当におそろしい感じがします(夜、ひとりで歩きたくない)。第五期の歌舞伎座の廻り舞台は容積でいうと国立劇場を上回るそうです。これ、すごいと思います!
大道具さんたちは、力持ちで、繊細で、さっぱりした性格の方が多くて憧れます。幕間で、私たちがのんびりお弁当を食べたりしている間、必死でお仕事をなさっています。幕の内側からトントン!と叩く音がすると、がんばっておられるなーなんて思います。
新しい舞台機構を得て、きっとこれからもいいお仕事をされると思います。私ももっと大道具の勉強をして、観劇ポイントをお知らせしていきたいと思っています。みなさんも観劇の際は、ぜひ大道具さんのお仕事にもご注目ください!
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