『積恋雪関扉(関の扉)』に登場する小野小町姫は、花道から登場します。三井寺に参詣しようしていたところ、どこからともなく聞こえてくる琴の音色に惹かれて関の扉までやってきた、という設定です。このとき小町姫は、旅人であることを示すため「肩蓑(かたみの)」というきれいな蓑(みの)をつけています。蓑といえば、一般的にはごわっとした茶色ものですが、フリンジつきのストールのようなきれいなものです。
小町姫の肩蓑(写真提供:藤浪小道具 近藤真理子さん)
この蓑は旅のしるしなので、傘や杖などとともに途中ではずしてしまいます。藤浪小道具の近藤真理子さんからうかたったお話。「小町姫の蓑は、黄麻の肩蓑。麻を黄色に染めたもので、金糸も一緒に入っています。舞踊などでは、リアルさよりも美しさを重視するため、こういう作り方をしたものと思われます」。
このほかにも歌舞伎にはたくさんの種類の蓑が細かく使い分けられています。詳しくは、以下の記事をごらんください。
【百姓蓑の復元プロジェクト】レポート記事
(2)歌舞伎で使われる蓑の種類
http://www.dogulab.com/activity/k-8/mino02.html
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