お正月飾りが付きました。「鎌切角松・中角」という種類。
毎年、地元の鳶さんが取り付けてくれています。
私は東京の下町に住んでいるのですが、年末は古めかしいステキな風景がたくさん見られます。近所には、和菓子屋がとても多いのですが、お餅屋系の和菓子屋は、お正月用の鏡餅づくりでおおわらわ。年の瀬が近づくと、店先にまで机を出して、ついたお餅を並べています。
今年も竹職人さんからお正月用の「青竹のお箸」が届きました。年のはじめに青竹の青さを愛で、料理を囲み、年神さまをお迎えするのがよいとのこと。
ちなみに青竹は、あおあおとして香りがよいけど、そのままにしておくと色が悪くなります。クリアパックに入れたまま冷蔵庫で保存すると、青さが保てますとのこと。
元旦まで、冷蔵庫入り。
● 2018年9月22日(土)
【小道具さんの手ぬぐい】
歌舞伎の小道具でおなじみの「藤浪小道具」さんオリジナルの手ぬぐいをいただきました。
格子柄だったので「なんていう名前の格子?」とたずねたら「藤浪格子」とのこと。なんと、この手ぬぐいのために誕生! よーく見ると。ふ、じ、という文字と、七本(な)と三筋(み)の格子。その他に、扇や花魁の三ツ歯下駄、天目茶碗の図案がちりばめられています。製作は歌舞伎の衣裳製作でもおなじみの「石山染交」さん。注染染めという技法で丁寧に作られています。
私もふだんから和てぬぐいをよく使っています。ふつうのハンカチよりも、水分をよく吸います。最近では、いろんな柄の和てぬぐいがあちこちで売られているので、ついつい買ってしまいます。
それから、お化粧のときにもちょっと汚れをぬぐうのに使ったりもしています。ふつうの長さだと、大きいので、四等分にして。小道具さんの手ぬぐいを見ていたら、道具ラボでもオリジナルのものが作ってみたくなりました。いつか、できるといいな。
● 2017年11月21日(火)
【歌舞伎の大道具の雪】
歌舞伎の舞台にちらちらと舞う雪。降らせているのは大道具さんで、ちゃんと係の人がいます。今月(2017年11月)は、雪が降る演目が多くあるので、久しぶりに雪を降らせている現場を見学してきました(高所恐怖症なので、かなりクラクラしながら)。
雪が降る演目は「奥州安達原」「直侍」「新口村」。なんとなく「新口村」がよく降っているイメージですが、時間の割合としては「直侍」のほうがうんと降っています。下手だけ降らせる、舞台全体に降らせる、少し降らせる、うんと降らせるなど、バリエーションも豊か。腕っぷしの強い大道具さんの仕事をそばで見ていると、いろいろな発見がありました。雪だけでも、かなり濃密な世界。
それからどんな仕事も、その詳細を知るって大事だなと改めて感じました。聞くだけとか、書いてあるものを読むだけでなく、動いて自分の眼で見る。それをできるように、交渉する技術も、また大事。
● 2017年8月13日(日)
【ご冥福をお祈りします】
(撮影:谷内俊文)
お世話になった歌舞伎の床山・高橋敏夫さんが亡くなられたので、お通夜へうかがってきました。。以前、取材で撮影した写真をパネルにして持参したら、ご遺族の方が式場に飾ってくださいました。仕事をしている高橋さんは、とてもいきいきされていたので、ぜひ参列者のみなさんに見ていただきたかったのです。
仕事をされているとき、本当に楽しそうでした。そして、ご自分達が使ういろいろな道具の質を向上させようと、常に気を配っておられる方でした。女方の髪飾り「鹿の子」や「べっこうの櫛・かんざし」の作り手捜しなども、御一緒させていただきました。こういう人の地味な活動があるからこそ、道具も保たれていくのです。やはり当事者が危機感をもって、しっかり動いてくれないと、サポートというものは、できません。