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田村日記

講談の怪談

21/07/12 UP

新宿末廣亭・7月上席で、講談の人間国宝・神田松鯉による怪談が長講で公演されるというので、2回足を運んできました。

初日は、歌舞伎でもおなじみの「乳房榎」。雨のそぼ降る夜で、雰囲気ばっちり。照明の演出も楽しくて、耳でたっぷり物語を楽しみました。
浪曲の太福さんの「黒豆茶」がめちゃくちゃ楽しくて、久しぶりにおなかがゲラゲラしました。座席は、6割くらい。





楽日前の9日は「番町皿屋敷」。ほぼ満席。みっちりした空気で、みんなで息をひそめて話を聞くのって、そのシチュエーション自体もワクワクする。お隣の男性は、寄席は初めてらしく、俗曲・うめ吉さんの唄や太神楽の立てモノ(バランス芸)など、ひとつひとつに「ほぉ〜」と小さく驚き、なんでもないところでも、エアー拍手をして、とっても楽しんでいました。そういうささいなことも、このコロナ禍ではうれしく、やっぱりリアルはいいなぁと。


浪曲・太福さんは「湯船のふたり」。なんでもない、切れっ端みたいな日常も、思い切りうたいあげちゃうと、こんなに立派な世界になるんですねー。センスのいいナンセンスワールドの極みみたいでした。


ちなみに、私はおばけの話とか、怖い話は、すごく苦手なんですが、講談の怪談は、きゃ〜〜〜!みたいな、心臓をバクバクさせるところを目的にしていないので、大丈夫です。講談というフレームに入れられて、演者がうまければ(!)、物語に引き込まれますので、怪談も芸として楽しめます。

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