芸能の道具とは直接関係ありませんが、民具の展示販売会を2つ見てきました。
簡単レポートいたします!
ひとつ目。
練馬のギャラリーの企画展示会「ハナをめぐる旅」。本日(1/19)より開催。
「ハナ」とは、群馬県や埼玉県の農家で小正月(1月15日)の飾り物として作られてきたもの。ミズキなどの木を削って作られています。
会場には、フサフサのハナが沢山つられていて、場が清められている感じ。作り手の関田徹也さんは、毎日在廊で、実演も見せてもらえます。
「ハナ」は2つで1組なのだそうです。ミズキという木をハナカキナタという特殊な道具で削って作られます。
関田さんからおもしろい話をききました。ハナを作っている地域のなかには、養蚕をしているところもあるらしいのですが、蚕のうち、ちょっとせっかちというか、早く糸を吐きたい蚕を、このハナにつっこんでおいてやるというのです。他のお客さんもいて、あまり詳しくはきけなかったのですが、そういう道具と生活や仕事との交わりについては、もっといろいろなエピソードがありそうでした。
展示されているハナは、全て購入可能。私もひとつ買ってしまいました(中くらいのサイズで3000円)。ハナはよく見ると、それぞれ微妙に形の個性があります。私は、ちょっと肩がはった、まるっこいシルエットのものを選びました。帰宅して、和室に吊ったら、飼っている猫がじっとにらんで、ねらっています。やられませんように…。
「ハナ」を作った関田徹也さん。途絶えそうになっているハナづくりの技術を、一念発起して受け継いたそうです。これは、ミズキの皮を削っているところ。
「ハナをめぐる旅」2019年1月27日(日)まで。
https://www.knulp-a1.com/knulpgg/2019/sekita2019.html
★★★
ふたつ目。
国立駅の近くにあるカゴアミドリというお店で開催中の『田口召平さんの箕とかご展』という農具の「箕(み)」の特別展示販売会。明日(1/20)までなので、大急ぎで。箕もたくさんありますし、世界のカゴがいろいろあって、カゴ好きにはたまらない店です。
私もついつい欲しくなって、柳のカゴを1つ購入。これは、スウェーデンのカゴで、本来はニワトリを入れて運ぶものだそうです。昔から使われているものだそうですが、あるとき女優さんがバッグに使ってからファッション・ブームに。でも、もうこれを作っているおじいちゃんが「そろそろやめる」と言われたそうです。他に作る人がいたらいいのですが、どうなのでしょうかね。
写真に写っているのは、店主の女性です。
カゴアミドリ
https://kagoami.com
★★★
ハナを作っている関田徹也さんのお話は、重みがありました。ふわっとなんとなく作っているわけでなく、自問自答しながら、一歩ずつ進んできた感じの職人さん。
カゴアミドリの箕の展示会のほうは、職人さんと会えなかったのが残念ですが、カゴアミドリというお店自体が、「自然と寄りそい、文化を伝える、かごのある暮らしをお届けします」という、芯のあるコンセプトをもっていて、店主の女性が魅力的でした。
ケースバイケースだけど、やっぱりこうやって職人さんが「社会の場」に出てきてくれないと、動かないこともたくさんあるなと思いました。職人はシャイな人が多いし、いろいろシガラミがあるから、難しい面があることもわかります。でも、出ていくと、新しいチャンネルが広っていくと思います。
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