本べっ甲の髪飾り
歌舞伎の床山さんは、べっ甲に似せた人工素材の髪飾りとともに、
本物のべっ甲の髪飾りも使っています(演目によります)。
本べっ甲の髪飾りは、ワシントン条約などの輸入禁止などにより希少になっており
また非常に高額のため、なかなか入手できないようです。
古い本べっ甲の修理などについても苦労されているようです。
そこで、べっ甲細工がさかんな長崎に調査へ行ってきました(2012/5/21-23)。
べっ甲の制作を体験したり、その制作方法の詳細をうかがったり、
べっ甲の資料館や販売店をまわって市場の様子をみたりしました。
また、古いべっ甲の修理についてもヒアリングを行いました。
それから資料用として骨董店で日本髪用の髪飾り(笄、中差し、櫛など)も購入しました。
床山さんからたくさん本物を見せていただいてきたので
素材についてはかなり見分けられるようになりました(本べっ甲か、そうでないかなど)。
よい品をかなり安く購入できたのではないかと思います。
今後、本べっ甲に近い風合いのアセチロイドを開発していく上でも
本べっ甲の実物を持っておくことはとても重要です(すぐに見本がみせられる)。
また歌舞伎では、普通の女性が使うものよりもサイズの大きいものが必要で
どんなサイズであるかも非常に重要です。
自前でこうした品を持っておくと、なにかにつけて便利です。
こうした品も、講演などの際にたくさんの人にみていただきたいと思っています。
(以前、本べっ甲の笄を握ったままずーっと眺め続けていた若い男子がおりました。
本べっ甲は特有の魅力があるようです)