アセチロイドの櫛3枚
アセチロイドの櫛やかんざしを作っていく上で、一番、困難な問題は櫛の歯を引く作業。
しかし逆に考えれば、アセチロイドの歯を引く作業を八田春海さんができれば、
特殊な技術を持つ職人としてやっていけることになります。
歌舞伎床山の高橋敏夫さん、八田さんとともに、ああでもない、こうでもないと
さまざまなアイデアを出し合いました。
しかし、なかなかいい方法が生まれません。
そこで、ものづくりの専門家に相談してみることにしました。
余談になりますが、
私は以前、品川区の広報誌(「グラフしながわ」といいます)の編集に携わっていました。
品川区は大田区の北側にあり、実は町工場もたくさんあります。
当時私は、こうした町工場をめぐって、ものづくりの連載の執筆をしていました。
今考えてみると、私が「伝統芸能の道具ラボ」という活動をしているのも
このころ、ものづくりの現場を直に見て、心を動かされたことが原点になっているような気もします。
そうだ、品川区の町工場で、櫛の歯を引いてもらえないだろうか?
そう思ってはみましたが、さてどこへ訪ねたらいいのやら・・・。
そこで、品川区の広報誌の仕事をしていた頃、区の担当者だった昆智子さんに
相談をしてみました。
この「グラフしながわ」は、32Pのオールカラーで毎年発行していたのですが、
1年弱という長い時間をかけて、みんなで丁寧に作っていました。
昆さんは広報誌の仕事が終わってからも私人として仲良くお付き合いしてくださり、
私の活動をいつも陰から応援してくださっています。
昆さんは、品川区のなかに「ものづくり・経営支援課 ものづくり支援係」があることを
教えてくださいました。
私の活動は、企業でもNPOでもないので、うまくつながるかわからないけれど
「ビジネスよろず相談」という窓口があるので、そこに電話をしてみてはどうかとのこと。
迅速で、きめ細かなご案内がとてもありがたかったです。
それで、さっそく電話をしてみました。
かなり毛色の変わった相談だったと思いますが、担当者の方は、親身になって聞いてくださり
品川区と提携されているものづくり専門のNPO法人コアネットさんにつないでくださいました。
すぐに連絡を取り、さっそく相談にうかがうことになりました。
ものづくり・経営支援課 ものづくり支援係
http://www.mics.city.shinagawa.tokyo.jp/keieigijyutsu/yorozu.php