吉岡健治さん
鹿の子絞りの高い技術をもっている職人を捜す。
ここが、このプロジェクトの肝になる部分でした。
私は伝統工芸の専門家ではないので、とにかく知人たちに事情を話して情報をもらうことにしました。
20代は京都のデザイン事務所に勤務していたので、そこの人たちにも問い合わせてみました。
そして、しばらくするとOGの方から「今、京都の絞り関係の方の展示会が銀座で開かれているから、行ってみたら?」というメールをもらいました。
展示会は3日間のみ(2009年11月26日-28日)。メールをもらったときは、すでに2日目でした。
ホームページで情報を調べたところ、招待状がないと入場できないとのこと。
そこで、思い切って電話をかけてみました。
「歌舞伎で使われる鹿の子絞りの髪飾りを復元したい!」という事情を直球でお話したところ、
こちらの素性もわからないなか、さまざまなことを教えてくださいました。
そして、とにかく明日、会場に来てくださいというお返事。
このとき電話で対応してくださったのが京都絞り工芸館の館長・吉岡健治さんでした。
そして、翌日、銀座の会場へとうかがったのです。
今、考えると、展示会という大変お忙しいときに、
鉄砲玉みたいに、こちらの都合で押しかけたことになります・・・。
でも、このときにお会いしていなかったら、鹿の子は復元できていなかったかもしれません。
今でも想い出話で、「あんときなぁ〜」という感じで、このときのことを思い返して、みんなで笑っています。
ときには、アホになることが案外と大事なのかもしれません。