能・道具改良
Vol. 2

(2) 2011年12月 取り組むテーマの第一弾は「毛」と「紐」。

能・道具調査

12/06/10 UP

2011年12月15日。再び梅若玄祥先生にお会いするために東中野の梅若能楽堂へ向かいました。

10月に玄祥先生にお目にかかった後、どんなものをどんな風に調査をするか思案しました。
歌舞伎のほうで少し調査や復元を進めていますが、歌舞伎の世界と能楽の世界では
異なることがたくさんあります。
歌舞伎では、俳優と裏方(衣裳や床山など)が分業化されていますが
能では、演じ手である能楽師が装束や道具の管理をしたり、装束の着付などを行います。
歌舞伎の世界では、少しですが取材をさせていただき、顔なじみも多いのですが、
能のほうは、素人弟子としてお稽古に通わせていただいているだけで、舞台の裏側のことは全くわかりません。
本当になにかのお役に立てるのかどうか、非常に不安です。
当初考えていたプランは、こんな感じです。
歌舞伎の床山さんの調査が進んでいるので、それと比較するために
能の道具のなかでも、髪にまつわるもの(天冠など)を集中的に調査をする。
いや、待てよ。
能は歌舞伎と比べると、1つの演目で必要な道具が歌舞伎よりも少ないので
演目ごとに道具を調べたほうが、よいのではないか?
などと考えていたのです。
しかし、歌舞伎の床山の道具調査を行ってみると、
職人さんに非常に負担がかかってしまいます。
お仕事中に、お邪魔して、あれこれと道具についてヒアリングをするのは
こちらにとっては勉強になりますが、1つのアイテムでいろんなお話が出てくるため
想像以上に時間がかかってしまうのです。
玄祥先生にそのようなお手間はさせられないし、かといって他の能楽師さんに
お願いするのも心苦しい。でも、やっぱり玄祥先生ご自身のお考えをうかがわないと意味がないし・・・。
などと、ぐるぐると回っておりました。

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