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田村日記

(10) 2016年 春の巻

16/01/01 UP

● 2016年2月20日(土)

【伊勢丹新宿本店での催事を終えて】
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おかげさまで、なんとか伊勢丹での催事が終了しました。初めての催事のとりまとめでしたので、わからないことだらけで緊張の日々でした。昨年秋にこのお話をいただいてから、果たしてこの役割をきちんとつとめられるか不安のほうが多かったというのが正直な感想です。おかげさまで、催事はとても好評で、売り上げもいいものになりました。これも、催事にお越しくださったみなさん、催事の情報を拡散してくだっさったみなさんのおかげです。ありがとうございました。

伊勢丹新宿店は、ファッションに敏感なおしゃれな方や富裕層が多いデバートとして知られています。私自身にはあまり縁のないところでしたが、こうしたお客様に「伝統芸能の道具」を見ていただくのは、面白いなと思ったのが、この仕事を受ける大きな動機でした。その予想通り、実にさまざまなお客様にお越しいただきました。一見女性向けにみえる和風のバッグ(結構お値段も高いもの)を、男性の方が「ワインを入れるのに使いたい」とおっしゃってお買い求めになったり、数十万円もする定家文庫や筥迫という刺繍の小箱をまとめてお買い求めになられる方がいらしたり。こうして、新しい場に商品として提案してみると、いろいろな方がその価値を認め、お金を払ってくださるのだということがわかりました。職人さんたちも、新しい可能性を感じておられたようでした。

また、人気商品も生まれました。写真は、歌舞伎の小道具会社がこのたびの催事のために特別につくったキーホルダーです。歌舞伎ファンにはおなじみの『忠臣蔵』のあのイノシシです。この商品は、そんなにお安くはないのですが、すぐに売り切れてしまい、追加生産をして作ってもらったものも、即日完売という人気ぶりでした。小道具会社の方の手作りなのですが、歌舞伎公演の準備の合間に作っていただいたので、あまりたくさんは作れなかったのです。「イノシシが買いたかったのに〜」という声が多く、大変申し訳ない状況になりました。

個人的におもしろかったのは、百貨店の研修と社食です。販売業は全然やったことがなかったのですが、お客様と会話をすることは想像以上に楽しかったです。裏のゾーンから、お客さまのいらっしゃるゾーンへ入るときと出るときに、小さく一礼するというルールも、とても素敵でしたし、開店時、閉店時に、みんなで一礼するのもとても気持ちがよかったです。売り場には、外国のお客様も多いとうかがっていたので、中学時代の友人で、JALの国際線のCAをしていた友人にもお手伝いをお願いしました。社食でランチをしながら、積もる話をしたのも楽しかったです。
今回の催事は、全てボランティアでやりましたので、やや大変なところもありましたが、たくさんの新しい出会いもありましたし、よい勉強の時間となりました。

催事については、こちらをご覧ください。
2016年2月3日〜16日 伊勢丹新宿本店のイベント「伝統芸能 Art Labo」(ご報告編)
http://www.dogulab.com/activity/g-1/isetan_artlabo_02.html

● 2016年1月12日(火)

【伊勢丹新宿本店で催事を行います】
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人生とは不思議なもので、思いがけずデパートで催事を行うことになりました。2009年ごろに、歌舞伎のWebサイト・歌舞伎美人で「歌舞伎の逸品を手に入れる(全12回)」という連載を担当しました。歌舞伎の舞台で使われている道具を作っているお店で、一般の人でも購入できる商品を紹介したもので、とても人気がありました。今回のイベントは、その企画のリアルバージョンという感じです。こんな風な展開になるなんて、当時は考えもしませんでした。びっくりです。このとき取材をさせていただいた、足袋、かんざし、組紐、化粧の職人さんたちにも出品いただきます。

物販もやったことがないのに、こんな大きな百貨店の催事をとりまとめられるかしら〜と不安でしたが、なんとか準備が整ってきました。伝統芸能の道具を、芸能関係者が買うだけでは、立ちゆかない時代になってきています。一般の人が、生活のアートとして道具を買うというのは、おもしろい実験だと思っています。ぜひ、お出かけください。

イベント名:「伝統芸能 Art Labo」
期間 : 2016年2月3日(水)〜2月16日(火)2週間
場所 :  伊勢丹新宿本店 本館5階=ウエストパーク
(エスカレーターのすぐそばです)
アクセスガイド 東京都新宿区新宿3-14-1 最寄り駅「新宿三丁目駅」
商品内容(予定):
かんざし、足袋、バッグ、筥迫(はこせこ)、絞り染めストール、絞り染めの布地のテディベア
ミニチュア鎧、世話物の財布、小道具オリジナルストラップ
漆の化粧容器、化粧筆・刷毛、「蜘蛛の糸」
能の扇、見台、和綴じノート、桐の宝石箱、能楽関連書籍
『かぶき手帖』(田村が特集記事を担当した号)など
★歌舞伎の小道具の実物も4点程度、展示予定(特別協力:藤浪小道具株式会社)

催事についての詳しい情報は、こちらをご覧ください。
http://www.dogulab.com/information/isetan_2016