歌舞伎のお姫様のトレードマークの大きな銀色のかんざし(通称「姫の前差し」。小さな梅の花(金属製ではなく紙製!)で構成されていますが、俳優さんによって花の数が異なっています。その数の差というのは、俳優さんの美意識の差でもありますが、頭の大きい方は数が多い! いろいろな写真集などを見て、数えてみるとおもしろいです。だいたい両端は梅の花が3段。その内側は4段。内側の4段が何列あるか?をみます。
姫の前差しの大きさに差があることは、以前、このかんざしを作っておられる職人さんを取材したときに教えていただきました。取材ノートを見ると、忘れてしまっていることもたくさん書いてあって、勉強になります。ノートはありがたいです。この職人さんは、あまり手先が器用ではなかったそうですが、師匠から「手は不器用なほうがいい。器用だとそれに甘んじていい加減になるから」と言ってもらって、この道に入ることを決意したそうです。1年間我慢してみようと思ってまずははじめたら、どんどん仕事が面白くなっていったそうです。
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