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田村日記

舞台芸術の「客席の空気」を愉しむ

19/02/08 UP

歌舞伎座で上演中の『名月八幡祭』を見てきました。
芸者の美代吉(みよきち)を坂東玉三郎、ちょっと悪いけれど憎めない色気のある三次(さんじ)を片岡仁左衛門がやっていたのですが、さすがなじみの(?)カップルで魅せる、魅せる! このふたりのイチャイチャをお客さんがみんな「ふふふ」と喜んでいる感じが、なんかとても楽しかったです。あてられちゃうのが、うれしいっていうか。二人がよりそうと、オペラグラスをのぞく率がぐっとあがる(笑)。客席もいい雰囲気でした。


私は仕事柄、初日前に舞台稽古(リハーサル)で芝居を見ることも多いのですが、「中身」は一緒なんだけど、観客と一緒に見るのと客席が空っぽなのでは、全然違うんですよね。それで、三階席に座ってお客さんと一緒にこの『名月八幡祭』を見ながら、つらつらと思いをめぐらせてみました。

歌舞伎って、もちろん舞台の芝居を見ているんだけど、お客自身も、「客席の反応」を楽しんでいる要素が、他の舞台芸術より大きいなーと。役者が出てきたときの拍手の大きさとか、こういうところで反応するんだとか。共有し合う楽しさ。ちょっと競ったりする気持ちもあるのかもしれません。

生の舞台って「その日、その場所にいた者同士でしか、分かち合えない気持ち」がありますよね。それは一緒に見に行った友人のこともあるし、そういう人がいなくても、その日、一緒に居合わせた見ず知らずの多くの観客とも、しっかり共有できる。もちろん、舞台がよくないと、それができないわけだけど。

私はわりと一人で、舞台を見に行くことが多いのですが、ひとりのほうがむしろ「観客のみんな」と「一緒に立ち会った感」が強いなと思うこともあります。こういうのって、テレビなどの映像では伝わってこない部分なんですよね。実は、ここが醍醐味だったりする。

ところで、歌舞伎座の地下のお土産広場(だれでも入れるゾーン)に、立派な雛飾りがありました(2月限定かな)。トップの画像がそうです。私の実家にも、あったなー、こういうの。今の私の小さな家には、こういうものは飾れないけれど、小さなおひな様とおだいり様だけでも、タンスの上とかに置きたいな、なんて思いました。

さて、ここでクイズです。
歌舞伎のなかにも、こういう大きな雛飾りが出てくる演目があります。さて、なんでしょうか〜(答えは、こちらからは出しませんので、自分で調べて、劇場で答え合わせをしてください)。

二月大歌舞伎 平成31年2月2日(土)~26日(火)
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/603

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