今月は四代目中村鴈治郎襲名披露の公演なので、「祝幕(いわいまく)」がかかっています。お祝いとして襲名される俳優さんへ贈られるもので、図案も工夫がこらされています。鴈治郎丈の弟にあたる扇雀丈のブログに、この幕についての記述がありますので、以下にご紹介します。
中村扇雀丈のWEBサイト 「祝い幕」(2015年1月10日の記事)
http://www.senjaku.com/blog/2015/01/post-363.html
四代目中村鴈治郎襲名披露の祝幕
祝幕には、勘亭流という独特の書体で文字が書かれていますが、鴈治郎丈は上方(かみがた)の俳優さんということで、上方の勘亭流の文字になっています。江戸の勘亭流と雰囲気がちょっと異なります。また、この「祝幕が入っている箱」という大きな桐箱も2階ロビーに展示されています。本当に幕を入れているわけではなく、形式的なものです。劇場へお出かけの方は、幕間にご覧になられてもいいかもしれませんね。その箱の横には、祝幕の原画も飾られています。
歌舞伎では横に開閉する幕が多く使われ、その定番が「定式幕(じょうしきまく)」です。今月は、この定式幕のほかに、襲名の祝幕、道具幕などがあります。幕の重さによって、幕を引くときの音が違います。個人的には、やはり定式幕のずしっと重い音が安定感があっていいなと思います。
定式幕
中村翫雀改め
四代目中村鴈治郎襲名披露
四月大歌舞伎
平成27年4月2日(木)~26日(日)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2015/04/post_86.html
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